公益社団法人 日本文化財保護協会

私ども日本文化財保護協会は、民間の埋蔵文化財調査機関が集結して、平成22年に内閣府より公益社団法人の認定をいただき活動をしてまいりました。

 

その間、埋蔵文化財調査士、埋蔵文化財調査士補等の資格制度を進め、埋蔵文化財調査士は延べ383名、同調査士補は延べ342名を輩出し、さらにCPD制度の継続教育も実施しております。

 

この資格の一番の特徴は、現場実務経験を積んで初めて試験を受けることができることです。

現在、行政担当の方も、大学においても実習等の現場を経験する機会が少ないことが問題点として上がっています。当協会としては「行政の良きパートナー」として、インターンシップ等の協力を進めていければと思っております。この資格を行政の皆様に有効に使って頂けるように活動も継続していく所存です。

 

また、坂詰会長の発案で、平成29年より会報誌「飛天」との合冊として埋蔵文化財調査士、調査士補の研究実績等を発表する場である「紀要」を刊行することができました。今後もさらに充実させていきたいと思っております。

 

さらに「考古検定」は、平成30年度で第10回を迎えることができました。今後も皆様に参加しやすい方向を検討してまいります。

 

文化財保護法も改正されることが閣議決定され、平成31年4月1日より施行される運びとなりました。文化財を保存が前提としながら観光資源とする、新たな体制を構築しながら動き出します。特に注目する点は地方公共団体の文化財保護の事務は地方公共団体の長が担当できるようにするとあります。埋蔵文化財行政の動きにも注目する必要があるでしょう。

 

この間の国の動きは平成19年「観光立国推進基本法」、「歴史文化基本構想」、平成20年「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(愛称:歴史まちづくり法)」、平成27年「日本遺産(Japan Heritage)」、そして今回の文化財保護法の改正につながっています。平成16年に坂詰会長が提唱した「観光考古学」がさらに具体的に始動する時期を迎えたとも言えます。

 

当協会としては、「公益性」を持つ業務としての埋蔵文化財調査への体制強化、埋蔵文化財調査士、調査士補各員の調査力の向上を目指しつつも、文化財行政の動きを注視しながら、新たな方向性も模索して参りたいと思っております。またそれらの情報も会員皆様と共有できるように運営を進めてまいります。

 

今後とも皆様からのご指導、ご支援を賜りたく、ご挨拶とさせていただきます。

理事長 長谷川渉